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越谷 心療内科
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レクサプロとは?

レクサプロは、うつ病や社会不安障害などの治療に用いられるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の一種です。有効性が高い一方で、服用にあたっては副作用や注意点も存在します。この記事では、レクサプロの効果、副作用、服用時の注意点について詳しく解説します。

レクサプロとは?その効果と作用機序

レクサプロ(一般名:エスシタロプラム)は、セロトニンという脳内の神経伝達物質の量を増やすことで、うつ病や不安症状を改善する薬です。セロトニンは、気分、睡眠、食欲、学習能力など、さまざまな精神機能に関与しており、「幸せホルモン」とも呼ばれることがあります。うつ病や不安障害を抱えている人の脳内では、このセロトニンが不足している、あるいはその働きが阻害されていると考えられています。

レクサプロは、脳内のセロトニンが神経細胞に再吸収されるのを選択的に阻害します。これにより、神経細胞間のシナプス間隙と呼ばれる空間でのセロトニンの濃度が高まり、セロトニンが受容体に結合する機会が増えます。結果として、セロトニン神経系の働きが活性化され、抑うつ気分や不安、焦燥感などの症状が緩和されるのです。

レクサプロは、日本においては主に「うつ病・うつ状態」および「社会不安障害」の治療薬として承認されています。社会不安障害とは、人前での発表や初対面の人との会話など、社会的な状況に対して強い不安や恐怖を感じ、日常生活に支障が出る精神疾患です。レクサプロはこれらの症状の改善に有効性が認められています。

レクサプロの服用量と服用期間

レクサプロの服用量は、患者さんの状態や症状によって医師が判断します。一般的には、少量から開始し、効果を見ながら徐々に増量していくことが多いです。

うつ病・うつ状態の場合、通常成人にはエスシタロプラムとして1日10mgを1回で服用します。症状により1日20mgまで増量できるとされています。社会不安障害の場合も同様に、1日10mgから開始し、必要に応じて1日20mgまで増量します。

効果が現れるまでには個人差がありますが、一般的に服用開始から2〜4週間程度で効果を実感し始めると言われています。症状が改善したからといって自己判断で服用を中止するのは危険です。再発を防ぐためにも、医師の指示に従い、定められた期間服用を続けることが重要です。症状が安定した後も、医師の判断で減量したり、維持量で服用を続けたりする場合があります。

レクサプロの主な副作用と対処法

レクサプロの服用には、いくつかの副作用が伴うことがあります。すべての人に副作用が現れるわけではありませんが、主な副作用として以下のようなものが挙げられます。

  • 吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢、便秘などの消化器症状: 服用初期に現れることが多く、体が慣れてくると軽減される傾向にあります。症状が強い場合は、医師に相談してください。
  • 眠気、めまい、頭痛、不眠: これらの症状も服用初期に現れることがあります。車の運転や危険な作業は控えるようにしましょう。不眠が続く場合は、医師に相談してください。
  • 口の渇き: 水分をこまめに摂る、うがいをするなどで対処できます。
  • 性機能障害: 性欲の減退、勃起不全、射精障害などが現れることがあります。これらの副作用は服用を中止することで改善することが多いですが、つらい場合は医師に相談してください。
  • 倦怠感、発汗、震え: これらの症状も現れることがあります。

これらの他にも、稀に重篤な副作用として「セロトニン症候群」や「QT延長」などが起こることがあります。セロトニン症候群は、セロトニンの過剰な作用によって、精神症状(錯乱、興奮など)、自律神経症状(発汗、発熱、下痢など)、神経筋症状(ふるえ、ミオクローヌスなど)が現れる状態です。このような症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

服用時の注意点と他の薬剤との併用

レクサプロを服用する際には、いくつかの重要な注意点があります。

  • 自己判断での中止や減量: 症状が改善したからといって、自己判断で服用を中止したり、量を減らしたりするのは絶対にやめてください。急に中止すると、離脱症状(めまい、吐き気、頭痛、不眠、しびれ感など)が現れることがあります。必ず医師の指示に従って徐々に減量していく必要があります。
  • 妊娠中・授乳中の服用: 妊娠中や授乳中の女性は、服用前に必ず医師に相談してください。胎児や乳児への影響を考慮し、服用を中止するか、他の薬に切り替えるかなどを検討します。
  • 高齢者への投与: 高齢者は一般に薬の代謝が遅く、副作用が出やすい傾向があります。少量から開始し、慎重に服用する必要があります。
  • 飲酒: 服用中の飲酒は、レクサプロの副作用を増強させる可能性があるため、控えるべきです。
  • 他の薬剤との併用: 他の抗うつ薬(特にMAO阻害薬)や、セロトニンに作用する他の薬(トリプタン系薬剤、リネゾリドなど)、精神安定剤、抗精神病薬、抗不整脈薬など、多くの薬との相互作用が報告されています。併用することで副作用が強く現れたり、薬の効果が弱まったりする可能性があります。市販薬やサプリメントを含め、他の薬を服用している場合は、必ず医師や薬剤師に伝えてください。

まとめ

レクサプロは、うつ病や社会不安障害の治療に有効なSSRIです。セロトニンの働きを調整することで、つらい症状を和らげ、日常生活の改善に寄与します。しかし、効果がある一方で、副作用や他の薬との相互作用も考慮する必要があります。

レクサプロの服用を検討している場合、あるいはすでに服用している場合は、疑問や不安があれば遠慮なく医師や薬剤師に相談してください。適切な服薬管理と医師との連携が、治療を成功させるための鍵となります。

 

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