ADHDとは
ADHD(注意欠如・多動症)は、「集中しづらい」「じっとしていられない」「考える前に動いてしまう」といった傾向が強く現れる、こころの特性です。子どもに多いと思われがちですが、大人になっても続くことがあり、仕事や人間関係でつまずきを感じる方もいます。脳の情報処理のしかたに偏りがあり、生まれつきの性質として現れます。本人の努力や性格の問題ではありません。支援のあり方や治療によって、得意を活かしながら日々を穏やかに過ごすことができるようになります。
以下のような状態が、日常生活や職場・家庭で長く続いている場合、ADHDの可能性があります。
このような場合はご相談ください
- 会話や作業の途中で気が散ってしまう
- 忘れ物や約束の抜けが多い
- 締切直前にならないと動き出せない
- 思いついたことをすぐ口にしてしまう
- 話を最後まで聞けない
- 静かにしていられず、落ち着かない感じがある
- 過去に「不注意だ」「だらしない」と言われ続けてきた
これらが一貫して見られる場合、発達特性としてのADHDが背景にあることがあります。
ADHDの症状
ADHDは、主に以下の3つの側面から症状が現れます(DSM-5参照)。
1.不注意(集中が続かない)
- 気が散りやすく、やりかけの作業を忘れる
- 指示を聞き漏らしたり、書類をなくしたりしやすい
- 話を聞いていても、上の空になってしまう
2.多動性(落ち着きがない)
- 手や足を動かし続けてしまう
- 会議中にそわそわしたり、立ち歩いたりしてしまう
- 心の中も“せわしない”感覚がある
3.衝動性(思いつくままに行動する)
- 話の途中で口を挟んでしまう
- 考える前に行動してしまう
- 感情の波が大きく、すぐ怒ったり落ち込んだりする
これらは誰にでも起こり得ることですが、ADHDでは「生活に支障があるほど」「子どもの頃から一貫して続く」ことが特徴です。
ADHDの原因
強迫性障害は、脳の特定の回路の働きの偏りや、遺伝的・環境的な要因が重なって発症すると考えられています。
1.脳の神経回路の異常
脳の前頭前野と線条体を中心とした「心配・確認」の回路が過剰に働くことが分かっています(Pauls et al., Nat Rev Dis Primers, 2014)。また、セロトニン系の伝達異常も指摘されています。
2.遺伝的素因
家族にOCDの方がいると発症リスクが高まるという報告があります。双生児研究でも遺伝率の高さが示されています(Van Grootheest et al., Psychol Med, 2005)。
3.性格的傾向や生活環境
まじめで完璧主義、責任感が強い性格はOCDの素因になりやすいとされます。加えて、家庭内の緊張や、いじめ・トラウマ体験などの環境因も影響します。
ADHDの治療方法
ADHDは、薬物療法と心理・行動支援を組み合わせることで、日常生活の困りごとを和らげ、より自分らしく生きられるようにすることが目標です。
1.薬による治療(薬物療法)
- 中枢神経刺激薬(メチルフェニデート、リスデキサンフェタミン):注意力や集中力の改善に効果があります
- 非刺激薬(アトモキセチン、グアンファシン):衝動や不安の抑制に有効です
- 海外・国内の多くのガイドラインで安全性と有効性が確認されています(NICE, AAP, 厚労省)
2.心理社会的支援
- 認知行動療法:時間管理、感情コントロールの工夫を身につけます
- コーチング・ソーシャルスキルトレーニング:実生活での対人対応・優先順位づけの力を育てます
- 家族や職場への理解を深める支援も大切です
3.環境調整
- 忘れ物を減らすための仕組みづくり
- 刺激を減らした作業環境
- 周囲の人の声かけやサポート
【参考文献】
・日本小児神経学会「ADHD診療ガイドライン」
・NICE Guideline: Attention deficit hyperactivity disorder: diagnosis and management
・American Academy of Pediatrics (AAP) Guidelines for ADHD
・Faraone SV et al., Attention-deficit/hyperactivity disorder, Nat Rev Dis Primers, 2015
・Castellanos FX et al., Neuroimaging of attention-deficit/hyperactivity disorder, Biol Psychiatry, 2002
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