南越谷駅徒歩1分

越谷心療内科
さくらメンタルクリニックの
クリニックブログ

発達障害は「障害」ではなく「神経多様性(ニューロダイバーシティ)」

   いわゆる発達障害には、主に、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、LD(学習障害、限局性学習症、ディスレクシア)、DCD(発達性協調運動症)などが含まれます。

   発達障害の「障害」という表現は実態に即していないため、既に、正式※1には「神経発達症」という名称に変わっています。 

   神経発達症は、遺伝子レベルでも、脳のレベルでも、神経細胞レベルでも、fMRIなどで研究される機能レベルでも、認知や行動のレベルでも、非常に多様な集団です※2※3※4※5。

   一人ひとりの顔が違うのと同じように、一人ひとりの脳も違います。つまり、神経発達症の人々は、神経の多様性の中の少数派と考えることができます。少数派とは言え、人口全体のうち、およそ15〜20%と見積もられており、決して少なくはありません※6。

   神経多様性の考え方は、神経発達症の人々は、「治療」して「正常」に変えるべき存在なのか、という疑問を投げかけます。

   神経発達症の人々は、その人に合う環境では、問題なく機能できるだけでなく、多数派の人々よりも高い能力を発揮することがあります。ですから、「治療」ではなく、「環境調整」が重要なのです。

   例えば、音痴な人は、歌わなければならない環境では困りますが、歌うことを要求されない環境では困りません。ASDの人々の言葉として、よく言われる表現に次のようなものがあります。

「私たちは海水の中の淡水魚だ。淡水に入れば問題ないが、海水に入ると苦労する。」※7

   神経多様性(ニューロダイバーシティ)という言葉は、自身もASDであるオーストラリアの社会科学者ジュディ・シンガーによって初めて用いられたと考えられており、ジャーナリストのハーヴェイ・ブルームが『アトランティック』誌(1998年9月3日号)に掲載した記事で初めて印刷物に登場しました※7。

   この考え方は、少数派の人たちが差別されない社会を目指して活動する人々の間に広まりました。そして、医学的にも何ら矛盾する点はないため、特に英語圏では、医師たちの間でも受け入れられてきています※7※8※9。

   神経多様性は、「治療」して「正常」に変えるべきという従来の発想から、その人の「存在そのもの・アイデンティティ」と捉える方向へ転換を迫られているのです。

   一人ひとりのニーズに合わせた支援や環境調整が当たり前のようにできる社会は、少数派の人々の能力を潰すのではなく発揮することができ、その恩恵を多数派の人々も享受できる社会と言えるでしょう。
 
参照:
※1 DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版)
※2 A Genetic Bridge Between Medicine and Neurodiversity for Autism. Claire S Leblond et al. Annu Rev Genet. 2024 Nov.
※3 The World Federation of ADHD International Consensus Statement: 208 Evidence-based conclusions about the disorder. Stephen V Faraone et al. Neurosci Biobehav Rev. 2021 Sep.
※4 Four Decades of Inquiry Into the Genetic Bases of Specific Reading Disability. Pavel Dobrynin et al. J Speech Lang Hear Res. 2025.
※5 The molecular genetics and neurobiology of developmental dyslexia as model of a complex phenotype. Juha Kere. Biochem Biophys Res Commun. 2014.
※6 Neurodiversity at work: a biopsychosocial model and the impact on working adults. Nancy Doyle. Br Med Bull. 2020.
※7 Editorial Perspective: Neurodiversity – a revolutionary concept for autism and psychiatry. Simon Baron-Cohen. J Child Psychol Psychiatry. 2017 Jun;58(6):744-747.
※8 The Neurodiversity Framework in Medicine: On the Spectrum. Raul Miranda-Ojeda et al. Dev Neurobiol. 2025 Jan.
※9 Neurodiversity-Affirming Clinical Care: Principles and Pearls.Shear T, Ayoub M, Cejas D, Christy A, Holler-Managan Y, Labrie U, King H, Kim YM.J Child Neurol. 2025 Oct;40(9):799-803.

監修者

院長 村重直子

   当院は埼玉県越谷市の南越谷駅から徒歩1分、新越谷駅から徒歩2分という立地で、うつ病、不安障害、パニック障害、不眠症、適応障害、児童・思春期のメンタルケアまで幅広く対応し、一人ひとりを大切に診療に当たっております。

   私はこれまで、ニューヨークのベス・イスラエル・メディカルセンター、国立がんセンター中央病院、および複数のクリニック・訪問診療に携わり、国内外で多様なライフステージに応じた医療に従事してまいりました。
   一人ひとりに寄り添い、その方の人生に伴走する医師でありたいと願って診療しています。

   特に児童精神科・思春期のメンタルケアでは、一人の母親としても共感を持ちながら、お子さんの「過去・現在・未来」を一緒に考えてまいりましょう。思春期ではご本人の意思を尊重し、必要に応じて親御さんと別々の時間を設けることもございます。すべては、将来、お子さんの持つ可能性が花開く時のために。

   心の不調でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。越谷市を中心に、地域の皆様の頼れる診療所として、スタッフ一同、誠意をもって診療にあたります。

笑顔で患者の話を聞く女医 笑顔で患者の話を聞く女医

一人で悩まず、
まずはお気軽にご相談ください

  • 南越谷駅
    徒歩1分

  • 女性医師
    複数在籍

  • 当日予約で
    診断書発行

南越谷駅より徒歩1分・新越谷駅より徒歩2分
平日19時、土曜日も診療しています。
いつでも気軽にご相談ください。

Web予約