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セルトラリンは不安障害にも効く?全般性不安障害・パニック障害・社会不安障害・PTSD・強迫性障害への効果と副作用
2026.03.15
メンタルヘルス辞典
セルトラリンとは
心療内科の外来で、「他の病院で、セルトラリンを飲んでいると言ったら、『抗うつ薬を飲んでいるからうつ病なんですね』と言われた。私はうつ病なのですか?」とおっしゃった患者さんがおられました。
セルトラリンは、確かに、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という種類の抗うつ薬です。「抗うつ薬」と呼ばれますが、不安にも効くことがわかっており、主要な不安障害に対する第一選択の薬であることが確立されています。
セルトラリンの効果
また現在では、SSRI の抗不安効果が抗うつ作用の二次的な結果ではないことが十分に示されています。むしろ、不安症状の改善は抑うつ症状の改善によって媒介されるのではなく、それと同時に並行して起 こると考えられています※1。
セルトラリンは、幅広い不安障害に対して有効性が示されており、強迫性障害※2※3、パニック障害※4※5、心的外傷後ストレス障害(PTSD)※6、社会不安障害※7※8、全般性不安障害※1 で効果が確認されています。
セルトラリンの有効性・安全性を示そうとした研究は世界中から数多く報告されていますが、その中から、全般性不安障害に対するセルトラリンの有効性・安全性に関する論文をご紹介します。
セルトラリンを内服する群と偽薬を内服するプラセボ群にランダムに割り付け、患者さんも医師もどちらの薬を飲んでいるか知らないという二重盲検で行った臨床試験です※1。

セルトラリン群では、4週目、6週目、8週目、12週目のいずれの時点においても、プラセボ群よりも有意に不安が減っていました(図※1)。初めの1~2週間は効果が感じられず、効果が出るまで2〜4週間ほどかかるという点は、現場の感覚と合致します。セルトラリンを飲み始めた患者さんも実感していらっしゃるのではないでしょうか。
セルトラリンの副作用
この研究では、有害事象のために薬を中止した割合は、セルトラリン群で8%、プラセボ群で10%であり、有意差はありませんでした。多くの有害事象は軽度から中等度と報告されました。
吐き気、頭痛、不眠、不安などの副作用は、セルトラリン開始後の最初の1~2 週間に比較的よくみられますが、治療を継続すると軽減することも報告があり※9、現場の使用感とも一致します。
まとめ
セルトラリンは「抗うつ薬」と呼ばれますが、実際にはうつ病だけでなく、不安障害の治療として広く使われている薬です。
効果が出るまでには2〜4週間ほどかかることが多いですが、その後、効果が持続します(図)。
吐き気や頭痛、不眠などの副作用が飲み始めの1〜2週間に出ることがありますが、時間とともに軽くなることが多いことが知られています。
治療の目的は、症状を和らげて安心して日常生活を送れる状態に近づけることです。疑問や不安があれば遠慮なく医師や薬剤師に相談してください。適切な服薬管理と医師との連携が、治療を成功させるための鍵となります。
参考:
※1 https://psychiatryonline.org/doi/epdf/10.1176/appi.ajp.161.9.1642
Christer Allgulander, Alv A Dahl, Carol Austin, Philip L P Morris, Jesper A Sogaard, Rana Fayyad, Stan P Kutcher, Cathryn M Clary. Efficacy of sertraline in a 12-week trial for generalized anxiety disorder. Am J Psychiatry. 2004 Sep;161(9):1642-9.
doi: 10.1176/appi.ajp.161.9.1642.
※2 March JS, Biederman J, Wolkow R, Safferman A, Mardekian J, CookEH, Cutler NR, Dominguez R, Ferguson J, Muller B, Riesenberg R,Rosenthal M, Sallee FR, Wagner KD, Steiner H: Sertraline in children and adolescents with obsessive-compulsive disorder: a mul-ticenter randomized controlled trial. JAMA 1998; 280:1752–1756
※3 Greist JH, Jefferson JW, Kobak KA, Chouinard G, DuBoff E,Halaris A, Kim SW, Koran L, Liebowtiz MR, Lydiard B: A 1 yeardouble-blind placebo-controlled fixed dose study of sertralinein the treatment of obsessive-compulsive disorder. Int Clin Psy-chopharmacol 1995; 10:57–65
※4 Pohl RB, Wolkow RM, Clary CM: Sertraline in the treatment ofpanic disorder: a double-blind multicenter trial. Am J Psychia-try 1998; 155:1189–1195
※5 Pollack MH, Otto MW, Worthington JJ, Manfro GG, Wolkow R:Sertraline in the treatment of panic disorder: a flexible-dosemulticenter trial. Arch Gen Psychiatry 1998; 55:1010–1016
※6 Brady K, Pearlstein T, Asnis GM, Baker D, Rothbaum B, Sikes CR,Farfel GM: Efficacy and safety of sertraline treatment of post-traumatic stress disorder: a randomized controlled trial. JAMA2000; 283:1837–1844
※7 Van Ameringen MA, Lane RM, Walker JR, Bowen RC, ChokkaPR, Goldner EM, Johnston DG, Lavallee Y-J, Nandy S, PecknoldJC, Hadrava V, Swinson RP: Sertraline treatment of generalizedsocial phobia: a 20-week, double-blind, placebo-controlledstudy. Am J Psychiatry 2001; 158:275–281
※8 Liebowitz M, DeMartinis N, Weihs K, Londborg PD, Smith WT,Chung H, Fayyad R, Clary CM: Efficacy of sertraline in severegeneralized social anxiety disorder: results of a double-blind,placebo-controlled study. J Clin Psychiatry 2003; 64:785–792
※9 Simon GE, Moise N, Mohr DC. Management of Depression in Adults: A Review. The Journal of the American Medical Association. 2024.
監修者
院長 村重直子
当院は埼玉県越谷市の南越谷駅から徒歩1分、新越谷駅から徒歩2分という立地で、うつ病、不安障害、パニック障害、不眠症、適応障害、児童・思春期のメンタルケアまで幅広く対応し、一人ひとりを大切に診療に当たっております。
私はこれまで、ニューヨークのベス・イスラエル・メディカルセンター、国立がんセンター中央病院、および複数のクリニック・訪問診療に携わり、国内外で多様なライフステージに応じた医療に従事してまいりました。
一人ひとりに寄り添い、その方の人生に伴走する医師でありたいと願って診療しています。
特に児童精神科・思春期のメンタルケアでは、一人の母親としても共感を持ちながら、お子さんの「過去・現在・未来」を一緒に考えてまいりましょう。思春期ではご本人の意思を尊重し、必要に応じて親御さんと別々の時間を設けることもございます。すべては、将来、お子さんの持つ可能性が花開く時のために。
心の不調でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。越谷市を中心に、地域の皆様の頼れる診療所として、スタッフ一同、誠意をもって診療にあたります。