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越谷心療内科
さくらメンタルクリニックの
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発達障害が疑われる子ども達のケアをして適応障害になったと疑われる大人の例②

発達障害と適応障害について解説

   一般的に「発達障害」という呼び方が定着していますが、DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)では「神経発達症群」となっています。主に、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、LD(学習障害、ディスレクシア)を指しますが、DCD(発達性協調運動症)(参照リンク)も発達障害(神経発達症群)に含まれます。

   適応障害は、特定の出来事や環境要因、人間関係のトラブルなどがストレスとなって発症するものです。

発達障害が疑われる子ども達のケアをして適応障害になった大人によく見られる相談・症状の例

   40代女性。小学6年生、5年生、1年生の母。4月にクラス替えがあり、新しい担任の先生から、上の子が授業中に連想したことを声に出してしまい授業妨害になっている、発達障害ではないかと言われ、時々学校へ行ったり、教育相談に行ったりしています。真ん中の子は、サッカーで骨折して、毎日のように通院しています。下の子は朝が苦手で、起こすのに全精力を注いでいます。小学1年生ですが、まだ班登校ができず、お母さんが学校まで送っています。

   4月から、夫が単身赴任となり、ワンオペです。他に手を貸してくれる人はいません。

   毎日4〜5時間しか睡眠をとれません。休みの日は、子どもたちの習い事や試合の送り迎え、お弁当作りがあるため、平日以上に睡眠時間は短いです。

   4月頃から物忘れが増えてきました。

   ご本人も、仕事で3月に部署異動があったばかりです。仕事でもミスが増え、叱責されることが増えました。動悸や頭痛、手の震えなどの症状が出たり、仕事中些細なことで涙が止まらなくなって早退したりするようになりました。

   ついに仕事に行かれなくなって、6月から休職しました。

   休職してほっとしたのも束の間、次に気になり始めたのは、次のような症状です。

   忘れ物が多いですし、スマホをどこに置いたか忘れて探すのは毎日です。持ち歩く荷物は、こうなったときにこれがないと困ると思うと、どんどん増えてしまいます。仕事では前のタスクを忘れて注意されたり、ケアレスミスが続いていました。頭の中であれもこれも考えて忙しいです。子どもについカッとなって叱ってしまいます。真面目に人一倍がんばるのですが、ドーンと疲れて動けなくなる時期もあります。

   人から言われたことを受け流せなくて「気にし過ぎ」「真面目過ぎ」とよく言われます。正義感が強く、ルール通りでないとイライラします。何かをやっている最中に邪魔が入るのが嫌で、没頭できる方がうまくいくタイプです。ママ友とのおつきあいは、うまく返せなくて気を遣って疲れてしまいますし、動悸がするようになって、できるだけ接しないようになってしまいました。

   これらの症状は、子どもの頃からあったのですが、これほど負担が増える前はさほど気にしていませんでした。

(※複数の症例から個人を特定できないように加工しています)

支援・関わり方のポイント

   子育て・家事・仕事の量が多すぎて発症した適応障害が疑われます。

   1人の人間ができるキャパシティを超えていますので、何かを減らす必要があります。子育ては減らせないので、仕事を休職するという選択をしました。でも、復職するとまた同じことになるので、仕事をやめた方がいいと思いつつ、経済的な心配もあり悩んでおられます。

   休職して睡眠が取れるようになると、少し落ち着き、ご本人の特性が見えるようになりました。ご本人も、ADHDやASDの特性がありそうです。ADHDの薬を飲み始めて少し落ち着きました。

   似たような状況でつらい思いをしている方が、たくさんいらっしゃいます。一昔前のように、専業主婦を選択できるくらいの豊かさが今この国にあったなら、こんなにつらい状況にはなっていないだろうと思わずにいられません。

監修者

院長 村重直子

   当院は埼玉県越谷市の南越谷駅から徒歩1分、新越谷駅から徒歩2分という立地で、うつ病、不安障害、パニック障害、不眠症、適応障害、児童・思春期のメンタルケアまで幅広く対応し、一人ひとりを大切に診療に当たっております。

   私はこれまで、ニューヨークのベス・イスラエル・メディカルセンター、国立がんセンター中央病院、および複数のクリニック・訪問診療に携わり、国内外で多様なライフステージに応じた医療に従事してまいりました。
   一人ひとりに寄り添い、その方の人生に伴走する医師でありたいと願って診療しています。

   特に児童精神科・思春期のメンタルケアでは、一人の母親としても共感を持ちながら、お子さんの「過去・現在・未来」を一緒に考えてまいりましょう。思春期ではご本人の意思を尊重し、必要に応じて親御さんと別々の時間を設けることもございます。すべては、将来、お子さんの持つ可能性が花開く時のために。

   心の不調でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。越谷市を中心に、地域の皆様の頼れる診療所として、スタッフ一同、誠意をもって診療にあたります。

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