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越谷心療内科
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DCD(発達性協調運動症)が疑われる例

DCD(発達性協調運動症)について解説

   一般的に「発達障害」という呼び方が定着していますが、DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)では「神経発達症群」となっています。主に、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、LD(学習障害、ディスレクシア)を指しますが、DCD(発達性協調運動症)も発達障害(神経発達症群)に含まれます。

DCD(発達性協調運動症)のお子さんによく見られる相談・症状の例

   小学3年生の男の子。幼稚園の頃、自転車の補助輪が取れるのは、他の子よりもずいぶん遅かったです。就学前の健診では何も指摘されませんでしたが、小学1年生の時、先生から動きがぎこちないと言われました。走るのは遅いですし、球技が苦手で、学校でもドッチボールはやりません。運動面が心配で、リハビリを受けていました。発達障害かもしれないとは思っていますが、まだ検査は受けていません。

   「面倒くさい」と言うことがとても多いです。着替え、歯磨き、お風呂など、何でも「面倒くさい」です。ボタンのある服は、嫌がって絶対に着ません。紐を結ぶのは、大変な努力をして、時間がかかりましたがようやくできるようになりました。食べるのは遅いし、よくこぼします。お箸を使うことはできますが、時間がかかるし疲れるので、食事の途中で止まってしまい、時には寝転んでしまいます。飲み込むのも苦手で、薬を飲み込むのはちょっと難しいです。片付けも苦手で、学校のプリントなどもぐちゃぐちゃです。学校に行くことも「面倒くさい」と言う時があります。

   家の中で、腕や足をよくあちこちにぶつけます。たまたま物にぶつかって、いらいらしてしまいます。

   歯磨きなど、本人が「面倒くさい」と思うことをやっていなくて、お母様に言われると癇癪を起こすようになりました。飲むはずのアレルギーの薬も、飲んだと言ってゴミ箱に捨ててあったり、脱いだ服を洗濯機に入れたと言って、床に置きっぱなしになっているなど、嘘をつくようになりました。

   家の外では、周りに気を使い、人の気持ちを気にしすぎて、あまり言いたいことが言えません。学校でも、うまく空気を読んでいます。ですから、学校で癇癪を起こすことはありません。

   授業は集中して聴いていますし、テストでは時々100点を取ります。本を読むのも好きです。しかし、文字を書くのは苦手です。黒板を書き写すのは他の子より遅くなってしまいますし、枠の中に収まるように文字を書くのが苦手です。

(※複数の症例から個人を特定できないように加工しています)

DCDが疑われるお子さんへの支援・関わり方のポイント

   複数の筋肉を同時に、または順序立ててなめらかに動かす運動の苦手さがある、DCD(発達性協調運動症)が疑われます。日常のほとんどの動作に影響しますので、片付ける、着替えるといった動作や、座った姿勢を維持したまま食事する、授業を聞くといったことが、このお子さんにとってはとてもハードルが高く、「面倒くさい」のは事実なのです。

   生活に必要な動作を、あせらず少しずつ、練習していきましょう。リハビリやトレーニングといった形でも、受けられるものがあるでしょう。

   学校のプリントなど、紙を扱うことや、枠の中に字が収まるように書くことは苦手なので、たくさんやらせて自己肯定感が下がってしまうよりは、少しだけ練習したら、あとはタブレット学習などにしてあげた方が効率よく学習できるでしょう。

   生活の中の動作も、できるだけハードルを下げてあげましょう。少ないステップで、細かい動作なく、片付け等ができるような工夫や、動線を短くするといった工夫も良いかもしれません。

   自己肯定感が下がってしまわないように、少しでもできたらたくさん褒めてあげたいですね。

参照:
ASD(自閉スペクトラム症)とDCD(発達性協調運動症)の併存が疑われる例

監修者

院長 村重直子

   当院は埼玉県越谷市の南越谷駅から徒歩1分、新越谷駅から徒歩2分という立地で、うつ病、不安障害、パニック障害、不眠症、適応障害、児童・思春期のメンタルケアまで幅広く対応し、一人ひとりを大切に診療に当たっております。

   私はこれまで、ニューヨークのベス・イスラエル・メディカルセンター、国立がんセンター中央病院、および複数のクリニック・訪問診療に携わり、国内外で多様なライフステージに応じた医療に従事してまいりました。
   一人ひとりに寄り添い、その方の人生に伴走する医師でありたいと願って診療しています。

   特に児童精神科・思春期のメンタルケアでは、一人の母親としても共感を持ちながら、お子さんの「過去・現在・未来」を一緒に考えてまいりましょう。思春期ではご本人の意思を尊重し、必要に応じて親御さんと別々の時間を設けることもございます。すべては、将来、お子さんの持つ可能性が花開く時のために。

   心の不調でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。越谷市を中心に、地域の皆様の頼れる診療所として、スタッフ一同、誠意をもって診療にあたります。

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