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越谷心療内科
さくらメンタルクリニックの
クリニックブログ
LD(学習障害)が疑われる例②
2025.10.15 2025.10.22
症例
病名
LD(学習障害)は、英語圏では一般的にディスレクシアと呼ばれますが、DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)ではSLD(限局性学習症)となっています。
相談内容
中学3年⽣の⼥の⼦。小学2年生までは学校の成績はとてもよく、漢字のテストも100点でした。小学3年生から、どんなにたくさん頑張って練習しても漢字のテストは10点くらいしか取れなくなりました。板書も1文字1⽂字⿊板の漢字を⾒ながらうつして書いていると、他の⼦たちはとっくに終わって次の⽀度を始めます。先⽣に相談したら、「遅いのは他の⼦に迷惑だ。」と⾔われ、学校に⾏けなくなりました。
⾃分で読むより読み上げてもらって⽿から聞くほうがわかりやすいです。本は読みませんが、漫画を読んだり動画を⾒たりするのは好きです。漢字や四字熟語を覚えるのは苦⼿ですが、⻑いストーリーを覚えていて、頭の中でお話を考えるのが好きです。字を書くのは苦⼿ですが、タイピングはとても速く、SNS上のやり取りを楽しんでいます。会話では年齢相応の理解⼒があり、知的障害ではないと思われますが、小学3年生から不登校となり勉強できていないため、進学や就職が⼼配です。学習について特別⽀援学級の先⽣に相談した時、「できないんでしょ、やらなくていいよ。」と⾔われたことがあります。
(※複数の症例から個人を特定できないように加工しています)
経過・考察
学習障害は知的障害とは違います。学校で採⽤されている学習⽅法とは違うかもしれませんが、そのお⼦さんに合う方法で学べば、少しずつでも学ぶことができます。教育を諦めるのではなく、お⼦さんに合う⽅法を探すことが重要です。
監修者
院長 村重直子


