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DCD(発達性協調運動症)、LD(学習障害)、ADHD(注意欠如多動症)の併存が疑われる例
2026.01.01 2026.01.02
症例
INDEX
DCD(発達性協調運動症)、LD(学習障害)、ADHD(注意欠如多動症)について解説
一般的に「発達障害」という呼び方が定着していますが、DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)では「神経発達症群」となっています。主に、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、LD(学習障害、ディスレクシア)を指しますが、DCD(発達性協調運動症)も発達障害(神経発達症群)に含まれます。
LD(学習障害)は、英語圏では一般的にディスレクシアと呼ばれますが、DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)ではSLD(限局性学習症)となっています。
ADHDは注意欠陥多動性障害と呼ばれていましたが、DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)では注意欠如多動症となっています。
DCD(発達性協調運動症)、LD(学習障害)、ADHD(注意欠如多動症)の併存が疑われるお子さんによく見られる相談・症状の例
小学3年の女の子。保育園や就学前の健診では何も指摘されませんでした。
日常のささいなことがスムーズにできないことが気になっています。お風呂に入る、服を着る、手を洗う、歯を磨くといった動作のすべてに「面倒くさい」が勝ってしまいます。
運動会のリレーの選手で1位になったほど走るのは速いし、跳び箱も上手です。鉄棒や縄跳びは少し苦手で、時間がかかりましたが、人一倍練習してコツをつかみ、できるようになりました。紐を結ぶのが苦手で、縄跳びを片付けるために縛る時、ぐちゃぐちゃになってしまいます。お箸や鉛筆の持ち方が、今でも怪しいです。お箸は疲れるので、給食で使うため、学校にスプーンとフォークを持って行きます。
薬を飲み込むのも苦手で、錠剤も粉も飲めず、今でもシロップの薬しか飲めません。
じっと座っていることも立っていることも苦手で、食事中も身体がぐにゃぐにゃしますし、電車やバスの中でも必ず座ろうとします。授業中、姿勢を保つのも苦手ですし、友達と一緒に遊びたくなってしまうので、担任の先生が教卓の真ん前の席にしてくれています。
忘れ物が多く、優先順位がつけられません。会話の中で、ついさっき話したことを忘れていて、同じことを何度も聞くので、しつこいと思われてしまいます。
朝ランドセルを背負ったまま通学途中で遊んでいて教室に来ない、チャイムが鳴っても別の場所で遊んでいて授業に戻ってこない、ということが時々あります。
夜寝るときも、布団の中でじっとしてはいないので、なかなか寝付くことができません。ずっともぞもぞ動いていたり、トイレに行ったり、起き上がって遊び始めたりします。遊びたい気持ちが強くて、寝たくないのです。でも、お母様に読み聞かせしてもらうのは大好きで、布団の中でお母様の声でお話を聞いていると、落ち着いてきてすぐ寝ることができます。保育園に上がる前から、夜寝る時は、遊び始めないようにお母様が抱きしめて絵本を読んであげると、すぐに眠ることができました。
お勉強も苦手です。じっと座って姿勢を保つのが苦手ということもあり、集中できる時間が長くはありません。
漢字のテストはまあまあですが、文章を読んでも意味がわかりません。この文の中に答えがあるとお母様が何回言っても、文章を読むこと自体が億劫で、読んで探すことができません。本を読もうとはしませんし、漫画も好きではありません。文字がたくさん並んでいて分厚い辞書を、めくって調べなさいと言われるのが苦痛で、お母様が辞書を持ってきただけでパニックのようになってしまいます。
文章を自分で読んでも意味がわからないのですが、国語の授業でみんなで声に出して読んだ後は、意味がわかっています。先生のお話も、注意を向けて聞いていた時は、きちんと理解しています。
立板に水のような話し方で、次々とテーマが移っていきますが、それぞれの内容はきちんとまとまっています。
音楽や図工は好きです。図工の時間に絵具とクレヨンで作った作品で金賞を取りました。
(※複数の症例から個人を特定できないように加工しています)
DCD(発達性協調運動症)、LD(学習障害)、ADHD(注意欠如多動症)の併存が疑われるお子さんへの支援・関わり方のポイント
走るという大きな運動は得意ですが、微妙な力加減や複数の筋肉を同時に使う動きが苦手なようです。生活の中で大人になっても使う動作を優先的に練習していきましょう。
学習面では、文字を介さない方法の方が理解できているようです。文字を読むことだけにこだわらず、タブレット等の読み上げ機能や動画を使って、たくさんの情報を吸収できるといいですね。手の細かい運動が苦手で、高速でタイピングすることが難しい場合は、音声入力機能も使いましょう。
辞書を引くためには、分厚い重たい辞書を開き、薄い紙のページをめくる、という動作の苦手さと、文字を読むことの苦手さの両方に直面することになり、かなりハードルが高いようです。電子辞書やオンライン検索を使い、音声入力や読み上げ機能を使うなど、学習内容にアクセスするためのハードルを下げてあげましょう。
集中力が持続する短時間で、学習内容をテンポ良く変えてあげると、気が散らずに頭に入るかもしれません。
どうしても叱られる場面が多くなりがちですが、周囲の大人たちが、できる限り注意する回数を減らし、どんな小さなこともできたら褒めてあげるよう意識して、自己肯定感を高めてあげたいですね。
参照:
発達障害からニューロダイバーシティ(神経多様性)へ
学習障害(LD、ディスレクシア)は天に与えられた才能
「教育虐待」にならないよう、学習障害(LD、ディスレクシア)に気づいてあげましょう
教育を諦めないで:学習障害(LD、ディスレクシア)
LD(学習障害)が疑われる例①
ASD(自閉スペクトラム症)とLD(学習障害)の併存が疑われる例
ADHD(注意欠如多動症)とLD(学習障害)の併存が疑われる例
LD(学習障害)が疑われる例②
LD(学習障害)が疑われる例③
LD(学習障害)とADHD(注意欠如多動症)の併存が疑われる大人の例
LD(学習障害)が疑われる例④
ADHD(注意欠如多動症)とLD(学習障害)の併存が疑われる例②
監修者
院長 村重直子
当院は埼玉県越谷市の南越谷駅から徒歩1分、新越谷駅から徒歩2分という立地で、うつ病、不安障害、パニック障害、不眠症、適応障害、児童・思春期のメンタルケアまで幅広く対応し、一人ひとりを大切に診療に当たっております。
私はこれまで、ニューヨークのベス・イスラエル・メディカルセンター、国立がんセンター中央病院、および複数のクリニック・訪問診療に携わり、国内外で多様なライフステージに応じた医療に従事してまいりました。
一人ひとりに寄り添い、その方の人生に伴走する医師でありたいと願って診療しています。
特に児童精神科・思春期のメンタルケアでは、一人の母親としても共感を持ちながら、お子さんの「過去・現在・未来」を一緒に考えてまいりましょう。思春期ではご本人の意思を尊重し、必要に応じて親御さんと別々の時間を設けることもございます。すべては、将来、お子さんの持つ可能性が花開く時のために。
心の不調でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。越谷市を中心に、地域の皆様の頼れる診療所として、スタッフ一同、誠意をもって診療にあたります。